経営コンサルティングのメリット (2/2)
経営コンサルティングの効果 続き
私たちは人と話をしていて、相手が関心をもって一生懸命聴いてくれているのを感じると、「自分の話は聴いてもらうだけの価値がある」と思い、そんな話をする自分は価値のある人間なのだと受け止めます。
逆に、無視されたり関心をもたれていないと感じると、相手への失望や怒りと同時に、自分の話は価値がないと思い、そんな自分は(相手から見て)価値がない人間なのだと受け止めてしまいます。
つまり「傾聴」されるだけでも充分認められた(「承認」された)と思うわけです。
直接的に「褒め言葉」をもらうとさらに承認のインパクトは強くなります。
私たちは、傾聴され承認されることで、自分の決断や行動が間違っていないと感じて自信を高めます。
「これでいいんだ」 と安心するわけです。
そしてその安心感が、次の行動への恐怖感をなくし、「次もきっとうまくいく」 という自信につながります。
モチベーションが上がり、維持されるのです。
「経営者は孤独である」 とよくいわれますが、それは心許せる人がいない、寂しい人というわけではありません。
会社の最終意思決定をしなくてはならない、という誰も代わってくれる人のいない立場に置かれているからなのです。
「自分の判断や行動は、間違っているのではないか」
「自分は、経営者としての能力がないのではないか」
と、絶えず自問自答しています。
「経営者だって、褒めたり認めたりして欲しい」と望んでいることを、何人もの方から伺いました。
特に、経営の戦略を実践しようとすると「これでいいのだろうか?」 という不安感、恐怖感に襲われます。
というのは、これからの時代は「絞り込み」が不可欠だからです。
これは、小さな会社・お店は、小さい市場でもいいから「一番」になることを目指さなければいけません。
なぜなら、お客さんは「一番」のものを求めるという価値観に変わってきているからなのです。
例えば、同じラーメン屋さんにしても、トンコツならアノ店、味噌ならコノ店、という風に、小さなセグメントで「一番」のものを求めるようになってきました。
(セグメントとは、「部分、断片、分割する、などの意味。全体をいくつかに分割したうちの一つ」
「一番」になるとお客さんが苦もなくドンドン増えるという現象が起こります。
仮に売上高は現状維持でも、顧客獲得コストと顧客維持コストが下がる。
要は、とても儲かるようになるからです。
ところが小さな会社・お店は、経営資源が少ない。
少ないものをあちこちに分散投資したのでは、結局どこも勝てなくて、「一番」がひとつも作れない。ということに終わってしまいます。
そのため、商品・地域・客層を、狭く狭く絞り込むことが、ナンバーワンになるための必要不可欠な条件となります。
そこで絞込みをしようとするわけですが、そこがすごく苦しいことなのです。
「商品を絞ると、仕事がなくなって、家族や社員を食べさせていけなくなるんじゃないの・・・」
「客層を絞ると、お客さんが減るんじゃないの・・・」
「地域を絞ると、チャンスの多そうな大きな地域の仕事を逃すのでは・・・」
こう思うのは当然です。
だから、理屈では分かっていても、体が動かない、行動ができないのです。
この恐怖に打ち勝ち、行動するには、「大丈夫!その戦略で行きましょう!」と背中を力強く押してくれる存在が必要なのです。
それも、経営コンサルタントです。
経営者に、自信をもたせ、意思決定の後押しをするのも、経営コンサルタントの大切な役目です。
「コミットメント」という言葉は、日産のカルロス・ゴーン氏のおかげでずいぶん有名になりました。
コミットメントの意味は「かかわり合い、肩入れ」ですが、彼は「有言実行型の必達目標」といった意味合いで使っています。
日本の企業では、目標といってもスローガンのようなもので、未達でも責任を問われることはあまりありませんが、日産自動車では1999年発表の日産リバイバルプランが達成できない場合、ゴーン氏以下経営陣は全員退陣することを公約していました。
また、ソニーの経営陣が利益目標を発表したとき、社外取締役のゴーン氏が「その目標はコミットメントか?」と訊き、経営陣をたじろがせたこともあります。
コミットメントとは、「この目標を、いつまでに、これだけ達成する」というように、自他に対して明確に約束し、自ら退路を断つ、という強い決意をもった目標のことと言っていいでしょう。
あなた自身が「これをいつまでにやる」と決めて約束し、次のセッションで確認する、ということをします。
でも、やらなかった、できなかったからといって、責任を追及するということはしません。
しかし、次にチェックが入る、と思ったら、「自分で言った手前、やらなくてはいけない」と必死になります。
そうすると行動が促進され、目標達成の確度が高まるのです。
自己管理には限界があります。よほど意志の力が強ければ別ですが・・・
ゴーン氏でさえ、それを認識し、半強制状態を自発的に創ったのです。
社員には管理者がいて、指示されたことや、自分でやると決めたことをしなければ責任を問われます。
経営者には管理者がいませんが、サボると社員に示しがつきません。
社長が率先して約束を破るようでは、社員はついてきませんし、それでは経営もうまくいかなくなるでしょう。
そんなことにならないように、意志の力を強くするように訓練することも大切ですが、経営コンサルタントを管理者がわりにうまく使って「管理してもらう」ほうが効果的でラクではないでしょうか。
他の経営コンサルタントでは、聞いたことがありませんが、私の場合は、これ以外に次のような効果もある、と思っています。
- お客さんの笑顔を見ることが出来る
- お客さんから喜びの声が届く
- 経費が節減できる
- 値段競争に巻き込まれない
- 家族円満になる
このように、経営コンサルタントを行った後の、目に見えない、または、見落としがちな現象も立派なメリットです。
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